BIOGRAPHY
世ノ果テデ人形ハ唯哂フ。
〜STORY〜
第一次人型戦役
人類は長らく情報戦争、冷戦を続けていた。
HG2094年、時代に変化が起きる。各国は衛星からのスパイ活動やネットからの侵入、情報の略奪などを防ぐ為にホリスモスというナノマシンを大気中に散布する事により国内間のみの通信協定を確立させた。これにより、長らく世界を包んでいた冷戦期間は終了し、直接行使の原始的な時代が帰ってきた。レーダーや遠隔操作がホリスモスのせいにより使用出来なくなり白兵戦を中心とした戦争が主流になった。開戦当初の1年で人類は総人口の20%を失う事となる。人々は戦争に怯え、神に祈った。突然、シンクロニシティが起きる。各国ほぼ同時期に自律式人型戦闘体(イペアロイド)の開発に成功する。HG2096年、人型戦闘体が戦場に投入された。人型戦闘体の躍動により、戦争は再び人の関わらないマネーゲームとなった。各国共に人型戦闘体の開発・投入を繰り返し、膠着が続き戦争が永遠に続くかと思った最中、意外な結末を迎える。シンマ連邦国が開発した、抹殺破壊だけを目的とした異形型戦闘体(デストロイド)が戦乱に投入され、圧倒的な戦闘力を持って各国人型戦闘体大隊を撃破し、僅か三ヶ月で全ての大地を制圧した。戦争は終着し、人類は次のステージへ向かうかと思われたが異形型戦闘体は殺戮をやめなかった。そう、彼等は人類を含め全てを抹殺する様にAIが自己進化を遂げてしまっていた。そう、人類は後から気が付いたのだ、最初に滅んだのがシンマ連邦国の人類だった事に…
第ニ次人型戦役
異形型戦闘体の破壊活動により一年で人類の総人口6割が消失した。人類も対抗する為に、12の生き残った国々が共同し人類最後の防衛線である「亱朙ケノ戦線(THE FRONT OF DAYBREAK)」を結成。
そしてある日、奇跡が起きる。亱朙ケノ戦線は自律式人型戦闘体を進化させた自律思考人形戦闘体「ヨノハテシリーズ」12体の創成に成功する。最大の特徴は永久機関「心ノ機関(ココロシステム)」が搭載されており、彼女達は誰かに心を捧げる事により半永久的に再生・活動することが可能であった。1人は民に捧げ、また1人は盟主に捧げる、それぞれの想いにより彼女達は天上天下唯我独尊(オリジナル無双スキル)の力を手にした。また、彼女達は個体毎にネーミングされていた。「櫻おと」「皇うい」「兎々瞳モネ」「紫雲英キラ」「瑠璃まつり」「橙乃アズ」「琴葉らいむ」たち…
12体と異形型戦闘体の戦いは熾烈を極めた。二年八ヵ月の死闘により遂に神ノ異形型戦闘態(デアエクス•マキナ)を追い込むが、ヨノハテ達は決め手に欠けていた。その時に「盤上の支配者 金色のアンジェリカ」が自分の心ノ機関を暴走させる事により自爆し神ノ異形型戦闘態の体に風穴をあけ殺ノ機関(コア)を剥き出しにさせる。残った11名は殺ノ機関を破壊し、遂に戦乱を治めた。
ニ年八ヵ月の死闘により遂に、第ニ次人型戦役は終着した。人では在らざる彼女達は英雄と崇められ「人形神(ヒトガミ)」と呼ばれた。人類は遂に平和を手に入れたのであった。
彼女達の幸せも続くかと思われた…
人類は愚かな生き物であった。
時が立ち、戦乱を知らない世代の子達は彼女達を疎ましく思ったり、恐怖すらする者達も居た。
戦争の無くなった世界では彼女達が異形と畏怖される対象となってしまった。
彼女達は悲しみ傷ついた。
あるものは眠りにつき、あるものは旅にでた、またあるものは…
彼女達は時代から姿を消した。
そして、時が流れ…HG2348年
ゴミ山に住む少年がある人形(ヒトガタ)と出会う、
「…ダレ?ワタシの名前を呼ぶのは」
再び、人形たちの心システムは動き出そうとしていた…